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増山士郎 / Shiro Masuyama |
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増山のプロジェクトを一言で言い表すなら、公共の場所におけるインターベンション、とでもいうことになるだろうか。もともと建築を学んだ増山は、卒業後なにか建築という仕事に物足りなさを感じ、当時横浜にあった現代美術の学校Bゼミへ入学する。その後、彼の行うプロジェクトについて増山自身どこで発表すべきかわからず、模索の期間を経て美術の世界に入る事になる。
最初に行ったプロジェクトは、多摩川の土手に等間隔で座るカップルたちのためのデートボックスの設置である。このプロジェクトを通じて増山は建築と美術の隙間、美術の中でもプロジェクトをベースとするリレーショナル・アートをそれとは知らずに実践する。
増山自身が、街にしかける“罠”という言葉を使っているように、増山の作品はある種観客の潜在的な欲望に働きかけそれを露わにするような仕掛けである。たとえば、500円プロジェクトや20ATSプロジェクトでは、高額硬貨を拾うという行為を人々が行うことの記録が作品になっている。都市の人々が持つ無関心さや欲望の顕在化―それらが増山のプロジェクトの主題のひとつといえるだろう。増山士郎は1971年生まれ、ベルリン在住。アイルランド現代美術館や、オーストリア応用美術館(MAK)などで展示。昨年は香港とのアーティスト・イン・レジデンス交換プロジェクトなど、作品制作以外でも活躍している。
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© Shiro Masuyama
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