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狩野志歩 / Shiho Kano |
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90年代より写真、'96年よりフィルムやビデオにより映像作品を制作。'00メディアシティフェスティバル(カナダ)グランプリ、01イメージズフェスティバル(カナダ)ベストインターナショナルフィルムアワード受賞のほか、'01山形国際ドキュメンタリー映画祭、'01〜03、'05ロッテルダム国際映画祭などで招待上映。
'04武蔵野美術大学「パリ賞」受賞、及び文化庁新進芸術家海外留学制度にて'05より渡仏、パリ国際芸術都市に滞在。
’09年、東京都写真美術館の「イマジネーション 視覚と知覚を超える旅」に参加。現在東京を拠点に活動中。
"狩野の感性が、日本庭園の歴史の中に現れている感性とつながりがあることは誰が見ても明白であろう。彼女の関心が赴くのは、現代生活、都市生活、消費偏重生活の旗印と通常はみなされる二つのメディアを用いて、空間の限られた拡がりと時間の限られた持続とを、映画的観想の瞬間が途切れることなく美しく続く視聴覚体験へと変容させることである。さらに、現代生活という「機械」の中の「庭園」を観衆に呈示するアメリカ映画の伝統と比較すれば―私はここでとりわけ、ラリー・ゴッタイム、ピーター・ハットン、ジェイムズ・ベニングの映画のことを考えている―狩野の作品は、より画然とした空間の境界の中に収まっていることに加えて、現代の都市の、そして郊外の経験を切り捨てる発想とは無縁なのである。彼女の秀作群―『揺れる椅子』『白いテーブルクロス』(2000)『お香』(2002)『赤い花』(2002)―には、日常生活からの安直な離脱という要素は見られない。その代わりに狩野は、消費生活に関わる音(自動車の走行音、電車、それに類するもの)が外から押し寄せる都会のありふれた生活空間の内にある部屋という領域を選びとる―そして彼女が発見し、創造する瞬間の連なりの中で、光線の独特の質感、微風の精妙な動き、煙の幽かな棚引き、ガラスの花瓶に映る薔薇の影に触れるわれわれは、身近な世界で刻々に生起する受肉との関係を取り戻し、何らの起伏もない極微の瞬間と場所にさえ豊かな悦びが潜んでいることを思い起こすことになる。"
スコット・マクドナルド(映画批評)/翻訳 田中裕介
「波うつ扉 萩原朔美、狩野志歩作品集」(2003年10月/イメージフォーラム・シネマテーク)
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© Shiho Kano
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お香
2002 color, sound 6'00"
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赤い花
2002 color, sound 11'56"
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波
2005 color, sound 15'03"
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アトリエ
2006 color, sound 6'53"
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燭
2007 color, sound 7'45"
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