ジャエウー・オーは1983年、韓国生まれ。ソウル在住。ホンギック大学卒業後アーティストとしての活動を始めた。彼の作品は写真、ビデオ、インスタレーションとそれらを組み合わせたもの。特に、商品名をつなげて詩をつくり、それらがわかるように１枚の写真やビデオにまとめたものは”スティル・ライフ・ポエット”シリーズとして取り組んでいる。
スティルライフポエット　オイル　（2008）では、本、たばこ、飲み物さまざまなものが雑然と積み重ねてある静止画からクローズアップし、それぞれの名前をアーティストが読み上げていく。写真のシリーズでは、上から読むと詩になるように実際にものが置かれている。オーのシリーズは、普段なにげなくものの名前としか認識されていない言語を、ふたたび意味のある言葉として取り戻す。シニフィアンをシニフィエとして認識し直す作業であると同時に、そのモノ自体が雑然と置かれている風景から始めることによってその言葉自体（タバコのピース、チョコレートのキッスなど）が与える響きがすでに呼びなれた商品名として流通していることよって変容していることに観客は気づく。
写真作品もビデオ作品もとなりにその詩をテキストとして展示するが、その紙にかかれたテキストと写真やビデオから受け取る印象は全く別のものである。