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マリア・タニグチ / Maria Tanighuchi

マリア・タニグチの作品は、直線的または曲線によるシンプルな形状で様々な素材のオブジェクトを配置したインスタレーションが多い。近年は、ビデオとオブジェクトを配置して新たなナラティブを生じさせるような作品を制作している。
Mies 421 (2010)では、フラットモニターにルードウイッヒ・ミース・バン・ダー・ローエLudwig Mies van der Roheの建築作品の静止画が切り替わる音とともに映し出され、その切り替わる速度は時間とともに早くなっていく。
その手前には、ミースのモダン建築と呼応するかのような長方形の色付きのプレクシグラスが配置されており、フラットモニターを含めての配置と、移動して見る事によりモニターの色が異なって見える効果、すべて直線的なモニターの中の建築物と直線的なオブジェクトとが新たな視覚体験を鑑賞者に与える。
Untitled (crystal palace + gauguin ) (2009)は、シングルチャンネルの作品であるが、サウスロンドンのクリスタルパレスにある恐竜の展示物をスライドで映しながら、視覚的な(美術的な)説明が男性の重々しいナレーションで流れる。
実はこの4つの説明はすべて別々の人によるゴーギャンの絵画、”われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか””Where do we come from what are we doing Where are we going" (1897)の説明である。時にナレーションと恐竜の様子が奇妙に符号し、ユーモラスである。
ここでは、タニグチは異なる素材は形状を配置するのではなく、異なる文脈の視覚と聴覚(テキスト/コード)を配置してあらたな物語を生み出している。

マリア・タニグチは1981年,フィリピン生まれ。ゴールドスミスカレッジでMFAを取得し、現在もロンドンに住む。マニラや香港、ロンドン、ベルリン、メルボルンなどで数多く発表している。

img
© Maria Tanighuchi

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image
Untitled
(crystal palace
+ gauguin)

2009
color, sound
17'13"

movie
     

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