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MIACA presents for Beppu Project Early Heaven ーー 南京、東京、ヘルシンキから



大分県別府のBEPPU PROJECT にて展覧会「EARLY HEAVEN」を開催いたしました。

Lieve D'hondt, Almut Rink and Christof Schlegel EARLY HEAVEN

MIACA presents for Beppu Project

Early Heaven ーー 南京、東京、ヘルシンキから

アン・ジョンジュ、安野太郎、リーヴェ・ドント+アルムート・リンク+クリストフ・シュリーゲル
2009年1月21日(水)〜2月8日(日)
13:00〜19:00
毎週月曜日・火曜日休廊

会場:Platform 01

大分県別府市元町8-3国際通りソルパセオ内

入場無料

問い合わせ: NPO法人BEPPU PROJECT

tel: 0977-22-3560 mail: info@beppuproject.com

(上映ではなく、映像インスタレーションで、週代わりとなります。)

★1月24日午後2時より、会場にて全作品の上映および本展企画者によるトークイベントがあります!

また、2月7日 午後2時にも上映イベントがございます。

主催:NPO法人 BEPPU PROJECT

企画:ミアカビデオアーカイブ

平成20年度 観光庁観光圏整備事業

アーリーヘブンとは中国の風水に使われる言葉を英訳したもので、3つの作品のうちのタイトルの一つでもあります。そこには、明るい未来を招くための願いが込められています。

ここで週代わりに展示されるのは、それぞれ韓国のアン・ジョンジュが制作したヘルシンキの風景、ブラジル人と日本人とのハーフの安野太郎による東京の街、そしてオーストリアとドイツのドント、リンク、シュリーゲルによる南京の通りです。異なる文化背景を持つ3組がそれぞれ彼等にとっての外国の街を切り取って作品にしています。
そして、それらの都市の風景が別府の商店街の風景と重なる時、作品はまた新たなレイヤーを与えられます。本展は、ここ別府の商店街での展示を前提に企画されました。

1/21-25
安野太郎による「音楽映画 1番 東京」(2007 16’43”)では、品川、浜松町、新橋などの山手線の駅の街の風景が定点カメラによって捉えられていますが、作家自身の声によってその風景の中に存在するものは言葉に置き換えられています。それらはつぶやきのようでもあり、雑音のようでもあります。本作品はこれまで安野が考案、製作した音楽映画シリーズ(現在山手線、三宅島、名古屋、横浜、大垣の全5作)の処女作であり、シニフィエとシニフィアンを視覚と聴覚によって表現しています。また、安野は作曲や演奏のパフォーマンスも行っており、そういった視点から重なり合う多くの声はタイトル通り非常に音楽的なリズムを計算された仕上がりとなっています。

1/28-2/8

(2007,2’40”)は、彼の”リップシンクシリーズ”(唇合わせのシリーズ)のひとつです。前回の安野作品とも非常に近いといえるのですが、ジョンジュもまた音楽活動を行う作家であり、多くの他の作品でも音楽的な要素が多分に盛り込まれています。
「スモーキング」においては、ヘルシンキの街のビルのベランダでタバコ休憩に出てきたビジネスマンの様子を撮影しています。よくある街の風景ですが、ジョンジュは友人らとともにそこにアフレコで擬音をつけています。声は意味をなさないものですが、なんともいえないユーモラスな雰囲気を出しています。
アン・ジョンジュは韓国に生まれ、ヨンセイ大学修士号を2006年に取得しました。現在は韓国国立現代美術館、フランスのニュイ・ブランシェ、ソウルのインサアートスペース、Arco 07 Spain 等を含む韓国内外で多くのグループ展に参加しており、ベルリンのレジデンスプログラムベタニエンにて制作しています。

2-4-2/8
リーヴェ・ドント+アルムート・リンク+クリストフ・シュリーゲルによる、「アーリーヘブン」(2007,6’00)は中国の南京と上海で制作されました。中国の都市では、たくさんの建設現場がありその前には完成予想図である大きな絵が描かれています。それはどこか古くさいのですが、イメージは近代的な大都市であり西洋的な影響を受けた夢の街の絵です。
手前の現実の中国の人々や車や自転車の往来とその理想図との間に、作家でもある欧米人がパジャマを来てたたずんでいます。その3つのレイヤーは、夢と理想のジレンマ、欧米的”北”の価値観とアジア的”南”の価値観のせめぎあいを感じさせます。都市や近代化への夢とはいったい現在も機能しているのでしょうか。また、おそらくは実現可能なそれらの建築が完成したとき、絵の中の未来は実現しているのでしょうか。
また、他者であるアーティストが、欧米的なそして私的な領域での着用物であるパジャマとサンダルで中国の都市のただ中に現れることによって、そこにはプライヴェートとパブリックの領域の問題も提起しています。公と私、欧米とアジア、夢と現実、ブルジョアジーとプロレタリアート、様々な2項対立をはらみ、また絡ませながらも見るものに心地よい違和感を与える作品となっています。
アルムートリンクは1971年、旧東ドイツのエアフルト生まれ。ウィーンの美術アカデミーを卒業後はウィーンで制作をしています。ウィーンのクンストハーレや、クンストフェライン、ミュンヘンなどで発表しています。建築家でもあるシュリーゲルとはパートナーで、これまでも共に制作しており、ドントとのコラボレーションは今回が初めてとなります。リーベ・ドントは1963年ドイツ生まれのアーティストで、オランダ在住です。映像をはじめ、ドローイングや彫刻など活動は多岐にわたり、これまでヨーロッパやアメリカのみならずアジアでも数多く発表しています。
本作品は、2007年のバーゼルアートフェア、ビデオテークにても発表されています。





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