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収蔵保存(プリザベーション)
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Franciszka and Stefan Themerson, photo: Kazue Kawase
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保存については、美術の文脈でのビデオ(ムービング・イメージ)アート、インスタレーションに含まれる映像やパフォーマンスの記録など、またショートフィルムといわれるもので、美術の領域に含まれるものを収集保存いたします。日本およびアジア地域のものが主ですが、この限りではありません。
ミアカではボーンデジタルのものをメインに収集し、保存は著作権ホルダーであるアーティストもしくは代理人(画廊など)と契約をかわしてから行います。オープンリールなどのものを、HDで保存する場合もあります。
ただし、ライブラリーおよびプロジェクトベースで展示してゆく作品は保存対象ではなく、リファレンス用としてDVDのみを所蔵させていただく場合もあります。
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ビデオのソフトの形態は様々で、U-matic, 35mm, 16mm, VHS、ミニDV、DVDなどですが、いずれも長期保存は難しい現状です。
現在、最も展示のために普及しているフォーマットとして、DVDがあげられます。しかし一時は半永久と思われていたDVDも、その磁気は意外と短い寿命であるらしいことがわかってきています。(5年から10年ともいわれています)また、アナログテープからデジタルにコンバートする場合、特にDVDを焼くときに、”コンパイル/コンプレス”しますが、これはデータを扱いやすく小さくするもので、この時点で多くの画像の情報は失われています。つまりDVDは作品を作品として保存するのにいいメディアではないのです。
16mm、35mmなどのテープは“アシッドシンドローム”によって変色しやすく、早い時期に最適なフォーマットに変えて保存する必要があります。また、ミニDVや、VHSのビデオは、使用の度の消耗が激しく、また使用せず保管していても、ブロッキング(テープがくっついて動かなくなる)などの問題が発生します。
これらのことから、いくつかの国や機関では早い時期から研究がされていました。実験映画やショートフィルム、また一般的な映画については、一足先にアメリカを先頭として保存の研究が始まり、実際に保存されています。(しかしすでに20年代の映画の多くは失われてしまいました)日本でも、国立近代美術館フィルム・センターで、映画フィルムや資料を保存しています。
現在、美術のカテゴリーの映像作品は、アーティスト、ギャラリー、美術館、コレクターなどによりバラバラに保管されています。たとえば彼らが映像作品をいい状態で保管できていたとしても、もし天災や火災などによって失われてしまったらどうでしょう。アーカイブは万が一の時に貴重な文化財を保全する保険の役割も果たします。またそれらをまとめて見られる機関があることは重要です。
以上のように、映像美術作品を保存収集する機関の設立は急務であると考えられます。
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