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FAQ ―よくある質問
1)ビデオアーカイブって何?
2)DVDは、半永久的に保存できるから特別な保存は必要ない?
3)ギャラリーや、アートマネージャー、美術館がいるからアーカイブは必要ない?
4)現代美術をメディアで分類するのは意味が無いのでは?
5)アーティストにとってのメリットは?
6)一般の人にとっては良い事があるの?
7)コピーライトの問題はどうなる?
ビデオアーカイブとは、広い意味でのビデオ(映像)作品の、保存(プリザベーション)分配・活用(ディストリビューション)、教育(エデュケーション)を行う機関です。
日本以外、主に欧米の各都市には、このような機関が多く存在しています。
ニューヨークーエレクトロニック・アーツ・インターミックス
ロンドンーLUX、e-2
シカゴービデオ・データ・バンク
アムステルダムーモンテビデオ タイムベイスド・アーツ
ブリュッセルーアルゴス
ウイーンーシックス・パック・フィルム
ストックホルムーフィルムフォーラム
コペンハーゲンーダニッシュ・フィルム・インスティテュート
ヘルシンキーAV-Arkki
パリーライトコーン
などです。このほか、保存機関として、フランスのINA, アメリカのIMAP, CoOLなどもあります。
2)DVDは、半永久的に保存できるから、アーカイブは必要ない? |
現在、最も展示のために普及しているフォーマットとして、DVDがあげられます。しかし一時は半永久と思われていたDVDも、その磁気は意外と短い寿命であるらしいことがわかってきています。(5年とも10年ともいわれています)
また、アナログテープからデジタルにコンバートする場合、特にDVDを焼くときに、“コンパイル/コンプレス”しますが、これはデータを扱いやすく小さくするもので、この時点ですでに多くの画像の情報は失われています。つまりDVDは作品を作品として保存するのにいいメディアではないらしいのです。
16mm、35mmなどのテープは“アシッドシンドローム”によって変色しやすく、早い時期に最適なフォーマットに変えて保存する必要があります。また、ミニDVや、VHSのビデオは、使用の度の消耗が激しく、また使用せず保管していても、ブロッキング(テープがくっついて動かなくなる)などの問題が発生します。ハードディスクへの保存も、クラッシュの危険性があり、フィジカルなフォーマットとの補完としての保存が一般的となっています。
これらのことから、いくつかの国や機関では早い時期から研究がされていました。
その結果、なるべく早い時期にアーカイバルフォーマットに変換し、一定の温度、湿度で保存することが必要であることがわかっています。
貴重な文化財でもあるビデオ作品は、簡単に失われてしまうのです。
3)ギャラリーや、アートマネージャー、美術館があるからアーカイブは必要ない? |
確かに、美術館は作品の収蔵、保管をしてくれます。また、アートエージェントや画廊は、作品のディストリビューションやプロモーションをしてくれます。
しかし、美術館は基本的には映像作品を購入した状態で保管します(美術館で、それぞれの国や地域のビデオアーカイブと提携して保存しているところもあります。)
また、近年簡易になっているとはいえ、エージェントや画廊はビデオ作品に特化しているわけではなく、その映像信号やフォーマットの変換には機器や技術が必要なため、コストや手間がかかります。(多くの場合、少ない資源をやりくりしてアーティスト自身が行っています)
また映像作品の特性により販売や版権についての管理が難しいため、敬遠されがちであったり、また画廊を持たない作家の方々もいます。
そのような問題をまとめて解決できるのが、ビデオアーカイブの存在です。
4)現代美術をメディアで分類するのは意味が無いのでは? |
現在の美術作品は多岐に渡っており、その中でメディアや作品のフォーマットにより分類することはあまり意味がありません。
しかし、写真や映像などそのメディア自体が保存や活用において特殊な技術や機器を必要とする場合、意味を持ってきます。インフラストラクチャーを備えた場所で、まとめて保存することが最も合理的な解決となります。
また各媒体の歴史的な発達を見るためにも、このように分類し、研究、保存、検証する機関を作ることは意義深い事です。
5)アーティスト、エージェントにとってのメリットは? |
美術館および個人コレクターが映像作品を購入したい場合、また展示したい場合、作家側にどのような作業が発生するでしょうか。作品を、展示に最適なフォーマットに変えて送付、持参する必要があります。映像の信号方式は地域によって異なり、PAL, NTSC, SECAMなどがあり、またDVDになるとさらにリージョンコードが関わってきます。またアーティストによっては、16mm、ユーマティック、ベータカムなど、映像のクオリティへのこだわりがあります。多くの場合は作家が作業するわけですが、機材が無い場合、スタジオレンタルまたは業者に頼むことになり、コストも作業も発生します。
この作業の手間やコストを、アーカイブで代行できます。またケースバイケースですが、作品のみを展示する場合は、アーカイブにオファーが来て、そのままアーカイブが送付し、作家やエージェント側は全く通信連絡の作業コストも無しに、アーティストフィーを受け取ることができます。
では、海外などのリサーチャーやキュレーターが日本の映像アートを知りたい場合、どうしたらいいのでしょうか。現在ある多くのビデオ・アーカイブでは、展覧会やリサーチのために作品を探しているもしくは見たい場合、作品の閲覧をすることができます。MIACAでも同じように、そのようなお手伝いをします。そのような場があることは、自動的に個々のアーティストや、ひいては日本の映像アートの振興に寄与することになります。
また、たとえアーティストやエージェント(ギャラリーやアートマネージャーなど)が映像作品をいい状態で保管できていたとしても、もし天災や人災によって失われてしまったらどうでしょう。アーカイブは万が一の時に貴重な文化財を保管する保険の役割も果たします。
たとえば、もしも日本のビデオアート作品について見たい、知りたい場合どこへ行ったらいいのでしょうか。
また、優れた海外の映像アート作品を見たいときは?調べたい時には?
そういう時にビデオアーカイブやそのライブラリーがあると助かるのです。
また、映像作品について様々な関係者、専門家、アーティストを招待してレクチャーを開いたり、ディスカッションやシンポジウムを開催していますから、興味がある方は誰でも参加できます。
しかし何より重要なのは、貴重な文化財でもある映像の芸術作品をきちんと保管することによって、社会に貢献している点です。
コピーライトについては、アーティストとアーカイブ、また展示するインスティテューションとアーカイブとの契約によってクリアできます。また個人とではなく機関(美術館、アートセンター、ギャラリー)などにしかディストリビュートしませんので、問題の発生率はさらに下がると考えられます。
現在他の海外のアーカイブで使用されている契約のフォーマットと内容を、日本向けにアレンジした契約書を使います。世界で通用している現行の契約書をもとにしています。
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